内径の台形の16φのネジ
先日、ロケットのうんちゃらかんちゃらのパーツで内径ネジを切りました。
「こんなのできるー?」
と、問い合わせあったときは台形のタップがこの世の中に存在するからそれでネジ立てといて、と依頼がありまして。
へぇ、台形ネジのタップってあるんや。と、その時知ったんですが勉強なるな、と感心しておりました。
さて加工しようとタップを発注しようと工具屋さんと話していると、、、全然ないナイNAI。
タップないじゃん、と焦って御客さんに問い合わせると「ちょっと調べるわー」となり待っていましたが、1週間くらいたってから「以前持ってた九州の加工屋さんに電話したら会社自体なくなっててどうしよー」と相成りました。
・・・ちなみにですが、タップはあるのはありました。
納期3か月でしたが笑
さすがにそんなに待てない。
お客さん的にはタップがないとどうしようもない、と判断してたので「とりあえず注文しといて」と言われました。
とは言っても形状的に旋盤で掴めるのでねじ切りもワンチャンあるよ!と言ったのですが・・・今度はバイトが無いwww
ウチの最強刃物マイスター吉岡君に御願いしてめっちゃ調べてもらいました。
国産メーカーはもちろん。
海外メーカーも。
サンドビックさんからバーガスさんといったイスラエルまで。
でもね、無い。
最小内径が14φの台形はあるんですが全長85ミリ切れる刃物がない。
こりゃーいよいよ手研ぎだぜ、とこっそり思っていたところ吉岡君、さすがです。見つけてきました!!!
あの有名なドイツの刃物メーカー「SIMTEK」
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は、何それ。
聞いたことないメーカーでした。
なんとドイツからの空輸で納期2週間。
納期ギリギリですが加工うまくいけば間に合う。
しかし第二の問題が。
そう全長85ミリ足りないんです、この刃物でも。
なもんで新品の工具を問答無用に削って落とす。
はい、こんな感じでの段取りと相成りました。
見ての通りクリアランスが全くない。
14φの内径(16φ台形ネジピッチ2)で刃物が13,5φ。クリアランスあってないようなもんで。
さすがドイツ製。13,5φの位置で動かしたらきっちり刃物が当たりました泣
ま、それでも刃物そろって使えるようにしたらこっちのモンです。
あとは天を運に祈りながらボタンを押すだけ笑
と、余裕ぶっこいてたらやっぱりネジが入らない。
なんてゆーか。
無常ですね。
切ない。
余分に作ってたのでワーク破壊してネジを眺める。。。
なるほど、切断したらよくわかりました。
条件・数値をパヤパヤ変えて二度目のトライでなんとか成功。
数量6個あったのですが予備で9個作ってたので盤石の体制です笑
さすがに今回は細いわ、長いわ、形が変だわの3拍子揃ってまして。
なかなかに難儀した、っていうお話でした。
まぁ、しかし。
このSIMTEKの刃物がなかったらもっともっと、いや製品にすらなってなかったと思います。ほんと吉岡君に感謝。
工具屋さんにも「何十年と仕事してて初めて聞いたメーカーでした」と言わしたレベルのレアメーカー。
いやぁ、知識ってほんと技術。
吉岡君のお陰でなんちゃらロケット飛ぶので感謝しておくとします。
株式会社テラダは16φの台形ネジ切れ・・・ますとは言いたくないですがなんとなく加工できました♪