ものづくり達人顕彰受賞
こういう事って自分で書くのがなんだか恥ずかしいんですが、
まぁ、とはいえ。人生でそうないことですので他人事のように書いてみましょうか。
11月15日、八尾市より「ものづくり達人」という賞を授与して頂きました。
正式には「超薄物旋盤加工」という事でプレゼンさせてもらい、審査、面接、選考会と経て本日、受賞する運びとなりました。
超薄物旋盤加工。
「どこからが超でどこからが普通のうすもんやねん。」
と、素朴な御質問等あるかと思いますがそれはさておき(笑)
過去の実績、その公差や実測値はもちろん、加工方法や刃物の選定、後輩への技術の伝え方etc、今回審査を受けるにあたり様々なことときちんと向き合いお答えさせて頂きました。
その中で、何度も御話をさせて頂きましたことがありまして。
「私は旋盤の達人でエントリーはしていません。それだけは御理解下さい」
と、いうことです。
理由は旋盤ってすべての機械の基本と言われるだけあり、とても奥が深くて私なんかが達人なんて恥ずかしくてホントありえないこと、なんですよね。
最低10年回してやっと旋盤工と名乗れるレベル。
その中でも、長尺ものや大きいもの、4つ爪や面板、硬い材料、柔らかい材料、ネジ切りや端面の溝入れ、それが各材料事に難易度がある。その一つ一つに10年費やさないと職人として一人前にならないのに。達人なんて。。。
こんなもん200年は汎用旋盤に従事しないとなれませんて。
そう、旋盤の達人なんかになれるはずがないんです。
って、ことを担当者様や有識者様に踏まえて頂いた上で、
私はおっかなびっくりエントリーしました。
たまたまなんですが、私は「超薄物旋盤加工」だけは何十年も手掛けておりましたし、事実他社様で断られた案件をウチが加工可能なことも少なくありませんし。現在も新規のお客の多くは薄物で悩んでいらっしゃる方が多く、薄物旋盤加工だったら、この技術に特化するのならある程度通用するのではないかな、とそういう気持ちで挑むことになりました。
有識者様達との面接では薄物旋盤加工のことを色々御話させて頂きました。たまたまですがその中に某チャックメーカーの方がいらっしゃったみたいでして歪のことを何度もお話を受けました。
その次は刃物の事。何故市販のチップを使わないかをお話しました。・・・いやちょっと違いますね、なぜ市販のチップが使えないか、ということをお話しました。市販のチップは私のスタンスでは大活用したい派なんですよね。でも、あのノーズ形状ではとても実用に耐えないんです。たとえR0.2とかのポジを使ったとしてもキレが圧倒的に足りない。使わないんじゃない、使えないから仕方なく手研ぎを使うんです、と。
そして後輩への指導の事。これは正直怒られると思っていました(笑)
だって感覚を伝えるの難しいですもん。落語みたいな感覚かと。教えず見て覚えろ、って事なんですよね。
私も昔は教えてもらえるもんだと思っていました。そしてなぜ職人さんは教えてくれないのかも悩んでいました。でもね、違うんですよね。さっきのチップと同じですよね。教えないんじゃない、あまりにも情報量が多すぎて言葉で教えることなんてできなんです。だから教えることなんてほんとわずかな事です。あとは見て、感じて、察してください。ってことです。
なーーーんて、スタンスだから絶対怒られると思ってました(笑)
事実、有識者様おひとりが「ウチではすべてデーターとってます」とおしかりを頂きました。
うんうん、そうですよね。私もそれがいいと思います。
なんとかデーターとって少しでも後世に情報を残すのはとてもいいことだと思います。私もそうしなくちゃと心底思いました。これからは少しずつそうやって自分の技術を伝えていくことも大事な仕事なんだな、と改めてわかることができました。
後日談ですが、面接が終わり私の審査となったとき、チャックメーカー様やその他、多くの方が私の(会社)の技術を気に入って下さり、お褒めの言葉が上がっていたそうです。
去年はゼロ、今年は私だけというこの達人顕彰。
ともあれ。
貰ったものは返せない(多分)
超薄物旋盤加工の達人、としてこれからも精進していこうと思いました。
達人なぁ、、、
うーーん、、、
なんやろ、達人って気がせん(笑)
大阪府は八尾市の町工場 株式会社テラダ の中の人は達人だそうです♪
-
前の記事
初群馬、初茨城 2016.11.14
-
次の記事
ビジネスチャンス発掘フェア 出店してみて思う事。 2016.12.03