インコネルをこねくり回す
先日、納期を最優先で、というお達しでインコネルの加工がありました。
その際に見た図面はまぁ特にこれといった問題も無さそうな図面で、インコネルという材種だけが厄介だな、という印象でした。
納期は実働5日くらいだったのですがやれなくもなくはないこともないでもない、という微妙にできるライン。
で、注文と相成ったわけですが実際に図面を見ると・・・なんでしょうか、当初とは全くと言っていいほど違う図面がでてきました笑
いやまぁ、基本的な設計は同じなんですが
旋盤とまり穴がマシニングでの四角の穴で深さ23mm、コーナーR2.5?、だったり。
やけにタップが増えていたり、ワイヤー加工1所が2箇所になっていたり。。。
で、その図面が出てきた瞬間に聞いていた話じゃないぢゃないですか(´;ω;`)
と、ピエン通り越してパオンという現状になっておりました。
その中でも一番憎い変更が
M2タップの穴があったこと。。。
インコネルの加工に慣れている方も多くいらっしゃいますとは思いますが、ウチの工場長が調べてくださったところ加工できる刃物メーカーは1社しかなかったそうです。
逆にそのメーカー凄いな、という話なんですがほんとM2は嫌です。。。
で、4個必要だったのですが納期最優先という状況だったので7個手配しました。
工程は納期の理由で旋盤→マシニング→ワイヤー(協力会社)→マシニング
という流れになりましたが、まずマシニング時に刃物が折れ不良。
ワイヤーで不良(これは相当珍しいですが)
で、7個から2個無くなり最終工程で残り5個。
1個はなんとかぺけできる、という状況でした。
でも最後の難関はM2,M3タップです。
お高いタップを複数本買いこみまして、いざ尋常に勝負となりました。
まぁね、千里の道も一歩より。という名言がありますわ。
色々なことが起きながら出荷日当日の15時の時点で2個タップが折れて間に合うかどうかの連絡が無情にも携帯電話に連絡がありました。
帰社中だったのですが「とりあえず3個はできた。あと1個だけできれば完成なんだけど2個ともタップが折れた」「細穴放電に行くか検討中」みたいな切実としたやり取りが続きまして。
結局帰社してもまだ格闘中で、ウチでなんとかしてタップ除去して再トライする、となり(口元でタップが折れてたため)なんとかかんとかファインプレーが飛び出し4個完成となりました。その時点で17時過ぎ。タイムリミットまであと1時間少々笑
通算、欠損刃物片手では足らず笑
刃物代が7万・・・。
いやぁ、手に汗握る攻防もとい工房での出来事でしたが一言いいたい。
インコネルでM2はやっぱりだめ笑
できたらインコネルはタップ加工不可にしましょう!
これはメーカー様が悪いかな。
もうね、作らなければいいんですよ笑
そもそもニッケル基合金はこの世の中でタップが存在しなければこんなことにならなかったのに。。。
なーんて思ってしまうくらい追い詰められた、っていう話でした♪
株式会社テラダはインコネルのタップノウハウありま・・・。