平成も終わろうとしているのに旋盤を学ぼうとしている人達へ。
時代は5軸機だったりCADCAMが当然になってくるだろう時代が目の前に迫っておりますがいかがお過ごしでしょうか。
いや、目の前じゃなくてもうすでにナウなんですよねこれが。
まだまだ町工場レベルではそんなの・・・なんて思ってる人がどれほどいるのかわかりませんが私の知る限りもうナウすぎて困っちゃいます。
で、そんな中でも汎用旋盤やらNC旋盤やらを今から学ぼうとしている方は少なからずいらっしゃるかと思います。
旋盤って産業の基本です。
全ての機械部品のマザーマシーンだとも思います。
そんな訳で加工の基本だから気合い入れて腰据えてキチンとした技術を学ばないといけないのはわかっているとも思います。
ろう付けバイトの研ぎ方やドリルの研ぎ方をしっかり学んで、技術を習得して先の長い職人人生に挑んでいくこととなるでしょう。
今は刃物メーカーさんが優秀だから色々チップあるから、とかドリル研磨機とかうまいこと対応できるんだよー、とか思われる方もいるかもしれませんがあにはからんや。
いざという時って毎日毎分加工の現場では襲ってきてて、その時に工具屋さんに電話して対応してもらえればいいんですが、土曜だったり深夜だったり自分で解決しないといけない問題は切粉のように溢れて存在します。
そんな現場ですが。
今から旋盤を学ぼうとしている人達へ。
是非、恐れずに自分を信じ立ち向かってください。
今日できなかったことはあるかも知れないけれど、自分の技術として手に入れた技は絶対に失うことなくスキルとして武器になります。
ローカルで古臭い技術だから心配かも知れませんね。
でも、大丈夫。
50年前からの技術をウチでは現役のように今もまだ普通に使っていますし、その技術を必要とするお客さんが日本中探し回って尋ねてきます。
油で汚れたり、体力キツイ、とか思うかも知れませんが体力は全く使いませんし、油で汚れるのもコックさんや他の職種の方の方が汚れるような気がします。
半年前から入社した旋盤工君は今日切上げのねじ切りを楽しそうにしていましたし、振り回してOリングの溝を綺麗に加工しておりました。
その顔つきは職人そのもので。
毎日ややこしい仕事で大変だと思いますが自分の技術を惜しみなく発揮して向き合って加工している姿はとてもかっこよかったりもします。
私は不器用だから今まで1万本近くバイトを研いできました。研いでは加工し折っては研いでの繰り返し。毎日毎日グラインダーと旋盤と往復していたので旋盤の隣にグラインダーを移設しようと思ったくらいです。そんな仕事を20年。不器用の私ですが研ぎに研いで悩みに悩んでグラインダーで泣いたことも何度もありました。悔しいんですよ、情けなくて。できない自分に腹が立って。涙で目を赤くし職人さんに泣きながら研ぎ方をもう一度教えてもらったこともありましたし、早朝出勤して朝からひたすら研いでた刃物を職人さんに見てもらい教えてもらったり。
20代の頃、職人として歩み始めた私は本当に危うく幾度と道を踏み外しそうになりました。
不器用な自分を呪い。
職人として優秀だったらしいおじいちゃんの(生前に亡くなっておりましたが)お墓の前で泣いたこともありました。
そんな情けない私に多くの人が言いました。
「不器用やなぁ」
私が仕事をしていても見るに見かけて仕事を取り上げられたり。
私には難しい仕事は与えられなかったり。
私の親友が手伝いにきてくれた時には周りの多くが「〇〇君はほんまに器用なぁ」と大絶賛された時は自分の不甲斐なさにまた涙していました。
そんな多くの人に笑われた私ですが。
それでも。
こんな私でも今では旋盤を人並みに使えるようになりました。
その甲斐あってか来月11月に大阪府より超薄物旋盤加工の技術が認められまして大阪府優秀技能者表彰通称「なにわの名工」という栄誉を頂くこととなりました。
八尾の達人からなにわの名工へランクアップです笑
そんな賞を頂けることとなった私ですが、こんな不器用な私を諦めずに支えてくれた社長や師匠のみなさんはもちろん。本当に大勢の諸先輩方々のおかげで名誉ある賞を頂くこととなりました。
グラインダーの前で泣きながら刃物を研いでいたあの時。
何度もトライアンドエラーを重ねて加工していたあの時。
自分の不器用さを恨んで生きていた20代。
このような賞をいただける事により、ほんの少しでも報われたかな、と改めて感慨深くなっておりました。
さて。
未来の旋盤工の君たちへ。
私のようにアホみたいに努力して学んだ技術よりもCADCAMを使えて5軸機や複合機使えた方が3年後楽しい仕事が、数十年後もっともっと面白い仕事が待っていると思います。
だから旋盤じゃなくマシニングに強い会社を選びなさい。
ローテクじゃなくパソコン使ってオペレーターになりなさい。
旋盤の伸び代は重ねた年数に依存するので旋盤だけではなく複合的な機械に携われる会社が強いです。
20年修行するよりももっと楽に、もっと効率いい仕事を選ぶべきです。
土曜や深夜必要とする技術?
前もって段取りさえすればそんな事で困りませんし、土曜日休みがいいですし、残業よくないです。深夜とかアホですよ。
20年努力しないと得ることができないことよりも、知識とツールで解決することが山のようにあります。
私が言うんです。間違いありません。
旋盤よりもマシニング系です。
・・・・・本音ですけどね。
「それでも旋盤がいいねん。」
と、思われる方がいらっしゃるのなら。
「技術習得大変そうだな?」
「難しいかな?」
不安になることがあるでしょう。
そんな人たちに私だけは的確な声をかける自信があります。
大丈夫ですよ。
私知ってますもん。
クソほどセンスなくて、ひたすら不器用な職人を。
だから安心して旋盤工への道を歩んでくださいね。
悩んで壁にぶち当たったとしても。
「大丈夫。」
今日できなくても。未来できる自分がいる。
そのために今日の努力を怠ることなく前に進みさえする努力さえする力があるとするならばね。
そんな想いを泣いていたあの時の私に一番声を掛けてあげたいです。
う、、、耳が痛いです。
NC旋盤を捨ててしまって安易にマシニングセンタと5軸機とCAD/CAMに走ってしまいました。。。
いやいやw
私はヨシアキさんとこが日本で一番優れている会社だと確信していますから!
最高級な判断でスペシャリストの集団、ほんと私にはできないことをやられている世界トップクラスの憧れる会社ですよ!!!
私にはその才覚・実力皆無なので毎日死にたくなってます、、、(´;ω;`)
旋盤を使えないので、いつも汎用旋盤の職人さんを尊敬の眼差しで見ています。
外注先の汎用旋盤の職人さん(大概年齢が60~80歳)は
みなさん元気で生き生きと仕事をしている方ばかりです。
汎用機は部品を完成した際の達成感がNC機と比べ段違いに
大きいため、脳内麻薬が発生しやすく多幸感が得られやすいのではないか?と思っています。
若い方が汎用旋盤を職業として選択するのは大変だと思いますが、技術を身につければ確実に食いっぱぐれがない上、必要とされることが多いため、やりがいのある職業だとおもいます。
コメントありがとうございます。
汎用旋盤の職人さんがいらっしゃる、という事がもうすでに素晴らしいですね!生き生きと仕事してるなんて更に素敵!
私の師匠も病で倒れる寸前まで(倒れた後も)「旋盤もっと回したかった」と仰っていたのが今でも思い出されます。
確かに脳内麻薬ありそうですね♪
完成後の達成感はそれはもう半端ないです!逆に失敗した時の今までの苦労の泡もえげつないですが(笑)
これからはもっともっと少なくなる汎用機の職人さん。
寿司屋さんみたくうまく技術習得できるようにできるシステム作りもこれからの現場に携わる私としては考えていかなければならない重要な問題なんでしょうね。
やりがいある仕事、そういう仕事ができると本当に嬉しいもんなんでこれからもより一層努力しうまいこと技術を伸ばしていきたいな、と改めて思いました。